2002.8-002 奄美大島 ルサール Russar 20mm/F5.6 ロシアン・ビオゴン Biogon ??

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 引き続き古い写真を整理していますが、また5年前のものが出てきました。

 レンジファインダー独特の対称型超広角レンズについてはまた機材の項で書く予定ですが、ロシア製(正しくはソビエト?慣用句としてロシア製と記述します)レンズの中でも最右翼がこのルサール20mmです。

 私の手持ちの個体は白鏡胴で相当使い込まれた物です。一般には黒鏡胴の方がコーティングにより良い評価を受けているようです。専用ファインダーは良く見えるのですが、かなり大きいので、他の物で代用しています。
 
 ロシア製レンズはツァイスのデッドコピー・レンズが多いのですが、このルサールMP-2 (Russar)はビオゴンとは異なる独自の設計です。

 ロシア製レンズは個体差が大きいことが有名(^^;)で、このルサールは当たりはずれが最も大きいと言われています。
 私のレンズは当たりかはずれか解りませんが、まあ標準かなと思っています。
 開放では拡大すると四隅ではやはりピントが来ません(はがきサイズくらいならまあ及第点)が、11位まで絞ると良好です。回折の影響を考えるとF8-11位が常用と考えています。
 比較的暗いところでのスナップなどでは5.6でもまあまあ使えます。


 近い焦点距離のレンズの手持ちは、コシナのカラースコパー21mm(Contaxマウント用)とGビオゴン21mmのみですが、これらにはさすがに逆光性能などは全く及びません。
 しかし、私はコシナの21mmが15mmの延長線(15mmの長焦点バージョン?)にあるような描写と感じており、さすがに歪曲は少ない(建物の直線はまっすぐ写る)のですが、それ故やはり画面のスミでは放射方向に引っ張られる傾向にあり(パースペクティブディストーション)、人の顔などがあるとかなり悲惨なことになります。これはいわば地球儀を平面の地図にする様なもので仕方ないのですが、このルサールの場合若干樽型の歪曲が残っているようですが、その分自然な描写になる様な印象があります。建物はあまり写したことがないので少し弱いかもしれませんが、スナップレンズとしては使いやすい描写だと思います。


 白鏡胴はおそらく全くコーティングされていないので、15枚目 森林の写真の様に少し日光がレンズに当たると画面に入っていなくても盛大なゴーストが出ます(フード無し)。一方雲に少し隠れた夕日などのシーンでのフレアーはノンコーティングとすれば許容範囲内と思います。4群6枚?の比較的シンプルな構成がいいのかも知れません。
 順光では発色も思ったより悪くありません。晴天下でも十分使えます。


 このレンズは必要以上に鏡胴の直径が大きい(もっと小さくできるのに・・・(^^;))ですが、非常に薄型で、マウント面からの突出は非常に少ないですから、ホロゴンHologon http://blogs.yahoo.co.jp/keik0320/1756270.html と対抗しうる携帯性です。


 比較的安価で保護フィルターもせず(レンズが小さく奥まっていますので)気楽に持ち歩けるのが最大の長所と考えています。貧乏性なのでホロゴンは相当気を使います。

 難点はビオゴンやホロゴン同様に後方への突出が大きくてほぼTTLが使えないと言うことです。この点はフォクトレンダーやGビオゴンが圧倒的に有利な点です。手持ちのフォクトレンダー・ベッサLではかろうじてマウントできるものの、受光素子がほとんど隠れてしまい、ミノルタCLEでは1-2段のプラス補正が必要で被写体によるムラもあります。

 ライカM7やヘキサーRF、ツァイスイコンなどは持っていないのでこれらはどうか解りません。ヘキサーが最も可能性が高い(ホロゴンでも何とか使える)と聞いたことがありますが・・・。


 こういう訳で結局はライカMDaやバルナックなどと組み合わせて外部露出計を併用することが多いです。


フォクトレンダーの安くてコンパクト、高性能な21mmが入手できる現在では存在意義は大きい物ではありませんが、楽しいレンズです。