機材のこと-6 Tessar 50mm / F2.8 Carlzeiss Jena 1937 イエナ・テッサー Welta Weltiウェルタ・ウェルチ

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同時代のテッサーはF3.5の物が有名で(三半テッサー)人気も高いようです。残念ながら縁がなく(^^;)私は使ったことがありませんが、開放からシャープで風景などには向いているそうです。

一方F2.8の方はポートレートやモノ撮りに向いているそうです。
勿論F2.8でも絞り込めば非常にシャープですので、開放近くを除けば風景撮りにも使えると思います。

なぜか私はこのF2.8イエナ・テッサーに縁があり、コンタックスマウント(写真3)の他単体カメラに組み込まれたものが手元にあります。のんびりと順番にテストしようと思っています。基本的には同じレンズのはずですから、同等の描写が得られるのなら、これらの単体カメラは楽しいですね。

よりメジャーなレチナも118などにこのころの三半テッサーを積んだものがありますが、例のエベレスト初登頂時の写真が撮られたことなどもあり、人気が高く入手困難です。

一方私の手元にあるのはF2.8付きでややマイナーなウェルタのカメラWelta Welti(レンズは1937年製、写真1・2)です。
写真を比べて頂くと解ると思いますが、製造番号こそ違え、どう見ても同型のレンズが着いている様に見えます(^^;)。

このウェルチは距離計のない目測のカメラですが、屋外ではかなり絞り込む必要があるので、失敗は少ないです。
一方室内での近距離にはさすがに距離計が必要ですので、フォクトレンダーの距離計を併用しました。

今回の写真はちょっとサボりましてプリントからのスキャンですので、やや甘めです。実際はもっとファインです。

写真4では最短距離の3フィートで、F2.8開放でまつげに合わせたつもりでしたが、残念ながら後方のシャツの襟にずれてしまいました。
写真6ではF11まで絞っていることもあり、全く破綻なく立派なものです。
遠景で絞っていくと解放時から中央ではピントが来ていて、周辺は少し流れますが結構結像していました。F5.6~8程度でほぼ均一になりました。フォールディングカメラにありがちな片ボケもありませんでしたので、コンタックマウントとほぼ同等の結果でした。
解放時の周辺はF3.5のクセナーやエルマーにやや劣る印象がありますが、少し絞れば問題ないですし、フォーカスさえ合えば開放でもポートレートなどには使えそうです。

写真5は同じくF11でレンズに直接日光が当たる条件での半逆光(フードなし)ですが、ノンコーティングであることを考慮すると立派な物だと思います。

発色はさすがに渋いですが、優しい雰囲気のクラシックレンズの色合いです。

スキャナー画像では解りませんが、かなりきめ細やかに結像しており、光の条件さえ選べば充分にクラシックレンズの味を楽しめると思います。